三島村の簡易局

鹿児島県鹿児島郡三島村。三つの島(竹島、硫黄島、黒島)から構成されているので、そう呼ばれているようですが。そのうちの竹島の簡易局(竹島簡易局)の局員さんが音信不通になって、今は40キロ以上離れた黒島の職員さんが応援で週2回来て営業しているそうです。

本来、簡易郵便局の設置基準として代表者(局長)の他に2名以上の職員を確保しなければいけないのですが、竹島簡易局についてはその補助員が黒島にいるということで、急な休みに対応することは難しかったようです。しかも、離れた島の人をいちいち呼ぶこともできないので、局の業務はほぼその局長さん1人で行っていたようで、かなりの負荷であったと想像できます。

ちなみに三島村には、竹島簡易局の他に、硫黄島局(硫黄島)、大里簡易局、片泊簡易局(いずれも黒島)がありますが、このような僻地、特に離島ではなかなか人員の確保は難しいであろうと思われます。

郵便局に課せられたユニバーサルサービス、すなわち全国一律のサービスの難しさを感じます。僻地での人員の確保の難しさがあり、そこで平日のみとは言え毎日営業時間内の業務、さらに時間外の付帯業務をこなせる人員が確保できるのか。公営であれば、ある程度採算は度外視して人員を配置することは可能でしょうが、民営である以上余計なコストはかけられない、そんな状況で他地域と同レベルのサービスを提供することが困難であることを痛感させられます。『民間にできることは民間で』などと嘯いたあのパーマに、この状況を説明してもらいたいと衷心より思います。

このような事案は、別に離島に限ったことではなく、山間部の僻地でも起こりうることだと思います。このような現状を鑑み、郵政事業は本当に民営化して良かったのか、有識者の方々の賢明な判断を願う次第です。