かんぽ生命の不正な営業行為が明るみに出て、だいぶたちましたね。確か、かんぽの不正な営業(不適切な勧誘や不利な契約への移行)などのニュースが初めて出たのは2019年の7月くらいでしょうか。
その後、いわゆる郵政3社のトップ交代や、業務改善とやらが進められていたみたいですが、最近進捗状況なるものが出ていました。一応リンクは貼っておきますけど、業務改善計画の進捗状況についてというやつです。
かつての国営企業(郵政省)の看板を着て、お年寄りを騙し不当な契約をさせて暴利をむさぼるやり方については、いつだったか述べた記憶がありますけど、その後どうなったんでしょうか?気になったので、ちょっと読んでみました。結構長いので斜め読みしかしてませんけど。
断っておきますが、ししょーは郵政事業の専門家ではなく、あくまで一介の局巡ラーでしかありません。シロートの無知な発言もあるかと思いますが、どうかご容赦ください。
さて、斜め読みしていきますとなんでしょう、「お客さま本位」という言葉がやたら出てきますねえ。お客様の立場に立って、お客様は神様です、みたいな感じでしょうか。といっても、お客さんは基本保険に関しては素人なので(中にはFPとかFPの勉強している人もいるでしょうが)、だいたいは保険外交員の言いなりですよ。ししょーも保険の乗り換えでFPのお世話になってますが、基本向こうが提示してきたプランに乗っかるぐらいです。こちらから、こういう保証が欲しい、入院一時金はいくらがいい、死亡保険金は家族のために○万円がいい、そんなこと言った覚えはありません。全て向こうの出してくる保険プランに月々の保険料だけ見て判断する程度です。このお客さま本位とかいうやつは、お客様にとって利益のあるプランを提案しますよという意味合いでしょうか。
あとは斜め読みのレベルなので、細かい指摘はできませんけど、全体として感じるのは現場への指導だとか監視体制を強化とかそういうのが多いように感じられます。ずっと前から抱いていた違和感、現場が勝手なことをして暴走した。その結果、不適切な営業行為に走ってしまった、という現場に責任を押しつけるような捉え方、現場をスケープゴートにするようなやり方はあまり変わってない気がします。管理職のインセンティブだって、元は経営陣が数字ばかり見て現場に数字を挙げろと強要してきた結果、現場にむちゃなノルマが押しつけられ、現場の担当者が無理な営業に走ったことが原因だと思われるのに、それを解決する施策が採られているのか、疑問を感じます。
かんぽ生命が民間企業である以上、利潤の追求は不可避であるし、今後も利潤追求のために上層部が数字ばかりやり玉に挙げ、それによって管理職が現場に不正をしてもいいから数字をあげろ、といういびつな体質は改善されないのではないか、そういう懸念が残ります。
お年寄りがなぜ郵便局を信用するのか、それはもともと公営企業であり、国のお墨付きがあるから安心だろうという信頼感によるものです。それが、今や一民間企業に成り下がり、利益を追求するそこらの保険会社と何ら変わらない俗物に堕ちてしまったことを知らないから、信用するんです。郵便局(郵政事業)が今後国民の信頼を得るためには、過大なノルマから解放された公営企業(公益サービス)としての郵政事業に立ち返る必要があると思います。その意味でも、郵便局は国営でなければならない。その必要性を強く感じます。郵便局に関してはユニバーサルサービス(全国一律のサービス提供)も義務づけられていますが、とても民間企業にできることではない。そもそも公益サービスに赤字とかいう概念を持ち込むことが大いなる誤りなんです。そういうタイプの話って、旧国鉄の累積赤字が何たら、だからJRになって経営体質を改善とかいう誤った思考に走る構図と似ている気がします。
話が脱線しそうなのでこれくらいにしておきますが、かんぽ生命の健全化、そして郵便局に課せられたユニバーサルサービスの実現のためにはやはり郵政事業の再国有化が必須であると考えます。国営だと不正が表に出にくい、民間企業のほうが風通しがいい、そういう主張をされる方も多いですが、もしそうであれば不正行為の巣窟たる国家権力、警察組織こそ民営化するべきではないでしょうか。公営企業だから不正が起きやすいというのは誤解です。政府のチェックがザルだから問題が起きるんです。
小手先の対策がどこまで効果を発揮するのか、今後も見させていただきますが、抜本的な問題解決のためには郵政省の復活が急務であると考えます。百歩譲って郵政事業庁みたいなのでもよいかもしれませんけど。