関東鉄道常総線の旅

0.はじめに

私事で恐縮ではございますが、世間様のGWが終わった後も、次の現場までのインターバルが続くため、思わぬお休みが発生しました。じゃあ、郵便局に行くしかなくね?そう思ったのだが、使えるフリーきっぷを考えると、あまりないことに気付いた。JRの青春18きっぷやのんびりホリデーSuicaパスは、GW期間中と年末年始、それと夏休み期間しか使えない(平日に関してだが)。

年間通してフリーきっぷを発売している会社もあるけれど、どこにしようかといろいろ物色していると、発見した。いや、便利なきっぷのページに書いてるから気付いたという方が適切だろうか?

関東鉄道は、常総線のフリーきっぷ(常総線1日フリーきっぷ)を出しているが、これは利用日が土休日と茨城県民の日(11/13)、年末年始(12/29~1/3)となっている。しかし、真岡鐵道も利用できる常総線・真岡鐵道線共通一日自由きっぷでは土休日と年末年始の他、4/1~5/31、7/1~8/31、11/1~1/31の期間は平日でも利用できる。時期的にちょうどいいので今回はこのきっぷを使ってみることにする。なお、このきっぷは常総線全線と真岡鐵道の下館~益子間が1日乗り放題となる。真岡鐵道の終点茂木まで行きたい場合は、益子~茂木間の運賃560円を支払えばよい。

関東鉄道について軽く紹介しておくと、路線は取手~下館間の常総線の他、佐貫(JR常磐線龍ヶ崎市に隣接)~竜ヶ崎間の竜ヶ崎線を持っている。かつては東の気動車王国と呼ばれていた。その時は、土浦~岩瀬間の筑波線(後に筑波鉄道に分離)、石岡~鉾田間の鉾田線(後に鹿島鉄道に分離)が存在しており、総延長100キロを超えていたのだが。

また、有名な話として常総線は路線規模の割に電化されていない。その理由は、石岡市の柿岡に地磁気観測所というものがあるためである。直流電化の場合、架線から電気を取りそれがレールから地面に流れるのだが、一部が地中に漏れ出すためそれが地磁気に影響を与えると言われている。直流電流の周りには磁場が発生するというのは中学だったか高校だったかの物理で習ったと思うが、直流電化した路線があるとその付近の微弱な地磁気の観測を妨げるのである。地磁気観測所が言うには、直流電化による地磁気観測の影響は35キロ程度に及ぶらしい。よって柿岡から半径35キロ内は直流電化以外の方法を採らないといけない。常磐線が取手以北、つくばエクスプレスが守谷以北交流電化されているのは同じ理由による。関東鉄道でも、交流電化や他の回避策(直直デッドセクション?)が検討されたが、いずれもコスト面から見送られ、現在の非電化方式が続いているわけである。

ただ、この地磁気観測所は地元には何のメリットもない。どころか、東北本線が黒磯まで直流電化されていることから分かるように、常磐線の列車密度的には水戸ぐらいまでは直流にしたいはず。交流電車のコストもそれなりにかかるし(直流電車にはない整流器や変圧器を搭載している)。その他、東京からの路線延伸のネックになっているとまで言われており、茨城県ではよく地磁気観測所不要論(要するにどっか行けという論調)が取り沙汰されている。ししょーは地学は嫌い苦手なので詳しいことは分からないが、今なお地磁気観測所は柿岡の地に鎮座ましましているのであった。 “関東鉄道常総線の旅” の続きを読む