0.はじめに
年末年始はいつも帰省している。そして、いつからだったか(もう10年ぐらいは行ってるか?)新幹線ではなく、青春18きっぷを利用して東海道を下るのが冬の風物詩となった。(ん?)
往きは到着時間が制限されているのであまり多くの局を回れないが、帰りは比較的時間に余裕がある。途中に何かいいスポットはないかと考えていると、おぼろげながら浮かんできたんです、豊橋鉄道という路線が。
豊橋鉄道は、JR東海道本線(新幹線)、飯田線、名鉄名古屋本線が集まる豊橋駅(の近く)から出て渥美半島の三河田原を結ぶ渥美線と豊橋市内を走る東田本線(通称豊橋市内線)からなる鉄道である。今回は、この鉄道線(渥美線)の沿線を回ることにした。
1.プランニング
帰り着くことだけを考えると、ギリギリ16時ぐらいまでは粘れそうだ。ワーストケースとして三河田原を16時過ぎに出るとすると、豊橋から普通列車を乗り継ぐなら品川着が22時30分過ぎ。しかし、しかしだ、次の日から仕事がある。結局1週目完全休暇計画は実現しなかったのである。それを考えるとあまりのんびり帰るわけにも行かない。
豊橋で途中下車して新豊橋から渥美線を進むことにする。運転間隔が1時間に1本ぐらいなら、行って戻って技を使う必要があるけれど、渥美線の運転間隔は、15分おきだった。失礼致しました。ならば、ひたすら三河田原に向かって進めばいいわけだ。
渥美線で駅近くに郵便局があるのは、柳生橋、小池~愛知大学前間、南栄、高師、向ヶ丘、大清水、老津、そして終点の三河田原である。駅を出て郵便局に行って戻って次の列車に乗れればいいのだが。局によっては駅から離れているので次の列車に乗れないかもしれない。老津で16時を越えそうならそこで諦めるか。どうせ、東田本線の終点赤岩口には行かなければならないので、豊橋には少なくとももう1回来る必要がある。
2.豊橋市の旅
豊橋に着いた。まずはこの重い荷物をコインロッカーに入れることに。駅の周辺(改札口辺り)を探すが、それらしき案内はない。豊橋鉄道の新豊橋駅にないかな。そんなところにはなかった。また、豊橋駅への階段を上り、連絡通路から白い携帯ショップをショートカットしてカルミアに戻り(通り抜け可なので)、案内版を探すと、あった!コインロッカーという文字ではなくマーク(ピクトグラム)だけで表示されていた。これで分かるだろ、ってことなんでしょうけど。こちらのロッカーは空いているようである。時期的なものもあろうか。荷物を入れやすい低いロッカーにカバンを入れ、中央のディスプレイで扉番号を選択しSuicaをタッチする。出てきたレシートは静岡のアスティと同じ仕様のものであった。
新豊橋駅の窓口で渥美線の1日乗車券を買い求める。「カラフルトレイン 渥美線1日フリー乗車券」という名前で1100円である。実は、RYDE PASSアプリを利用したモバイルチケットもあるのだが、スマホの電池切れを懸念していることと、紙式の乗車券だといろいろ記事が書いているので、紙券を買うことにした。日付のスタンプを押した後、ビニールケースに入れて出してくれた。中にいろいろ書いてあるみたいだけど、後で読むとしよう。
【カラフルトレイン 渥美線1日フリー乗車券】
【広げるとこんな感じ】
●豊橋松山
渥美線は3両編成。てことは田舎によくあるワンマンカーではない。都会では概ね6両まではワンマン運転可能と言われているが(ただし運賃の収受は行わない)。車掌さんが乗務し、しかも肉声でアナウンスする。昔ながらのスタイル、というより比較的余裕がある感じがする。
【新豊橋駅に停車中の1800系桜編成】
なんて考えていたら柳生橋に到着した。隣の駅まで結構近いな。駅前の道路を左に進み踏切を越え、田原街道(R259)を北に進む。南松山北交差点をさらに進むと松山局があった。
【豊橋松山局】
ここのスタンプは文字だけとイラスト(ポスト)入りの2種。もちろんイラスト入りを押してもらう。ここでは新年のお祝いとして(?)袋入りのキャンディーをゲット。このパターンは結構珍しい。
【松山局でいただいたキャンディー(パインアメ)】
●豊橋福岡
柳生橋の駅に戻るとすぐに次の三河田原行きの電車が来た。次のサイクルに間に合った!が結構シビアだな。隣の小池で降りる。あ、出口と逆方向に乗ってしまったか。車掌さんが小走りに近付いてきて、きっぷを回収しに来る。すみません、1日乗車券です。
この渥美線は、無人駅が多いこともあり、自動改札機は導入されていないが、ICカード(manaca)に対応している。遠州鉄道や福島交通みたいな方式である。しかも、渥美線の場合は進化して(?)無人駅での切符の発売は行わない。乗車駅証明証発行機があるだけである。ICカードがあるからいいだろの精神か。
駅を降りて下りホーム後ろ側の出口から正面の道を進み、田原街道に出たら右に進む。左から線路が近付いてくるが、交差点の手前で地下へと潜っていく。どうやら道路と平面交差しないためのようだが、古い路線でこのパターンは珍しい。線路が潜った所をさらに進むと福岡局があった。駅からここまで500mちょっと。やや距離がある。
【豊橋福岡局】
ここもスタンプは2種類。字だけの方がいいですか?と聞かれるが、絵入りの方がよいです。
【消える魔球 ではなく消える電車 ちなみに愛知大学前方向である】
今度は隣駅の愛知大学前に向かって進む。南側にある高師口交差点には歩行者のために大きな歩道橋がある。渡っていると急に雨が。しかも、ちょっと強めの降り方。あわててリュックから折り畳み傘を出す。あまり使いたくなかったが。向かって左側のスロープを降り、下から出てきた線路に沿って進むと、雨は止んでいた。向こうの空は晴れている。何だったんだろうか?愛知大学前の駅が近付いてきた。そして、電車も近付いてきた。そして、駅のわずか手前で電車は出て行ってしまった。仕方ない、15分休憩か。局からここまで約400m。微妙な距離である。
【愛知大学前駅きっぷ売り場 今日はお休みの模様】
【愛知大学前を出る1800系ひまわり編成】
●豊橋南栄
三河田原行きの電車に乗り、次の南栄で降りる。ここは有人駅。もちろん出口のど真ん中にICカードリーダーが構えているが、それは無視して窓口に1日乗車券を提示して改札を出る。駅を出ると右前方に南栄局が見える。これだけ近いとありがたいが、そんなことはあまりない。
【豊橋南栄局】
【豊橋鉄道 南栄駅】
●豊橋高師
三河田原行きの電車に乗り、隣の高師で降りる。ここも有人駅。ここには車庫もあり、乗務員区もあるようだ。その割には駅は小規模だが。駅を出て、左のコンビニを回り込み東に向かって進む。高師緑地を回り込むように進み、500mほど先の上野町交差点を北へ。高師郵便局前交差点があるので、そこを右に進むと高師局があった。
【高師郵便局前 ということはこの近くにあるのだろう】
【豊橋高師局 逆光との戦い】
【高師駅で入換え中の1800系ばら編成 これで踏切を塞ぐのは・・・】
【豊橋鉄道 高師駅】
●豊橋植田
三河田原行きの電車に乗り、先へ進む。次に降りるのは植田、ではなくその次の向ヶ丘。こんな所にトラップがあったか。前方の出口から目の前の道を進み、広い道に出て進行方向に360mほど進むと右側に植田局があった。
【向ヶ丘駅を出る渥美線1800系菜の花編成】
【豊橋植田局】
この辺りは道路と線路が並走している。そして、駅の手前で右側に走っていく電車とすれ違う。あれは、三河田原行きだな。10分ほど休憩となる。
【向ヶ丘駅 あの赤いのは自販機だったのか】
【RYDE PASSの案内 そういうものもあるけれど、スマホに依存しないのがししょーのスタイル?】
【向ヶ丘駅を出る1800系椿編成 もっと横から撮ったほうがよかったな】
【サイクルトレイン乗車位置案内 なんと自転車に乗ったまま自転車ごと乗れる】
●豊橋大清水
隣の大清水まで移動する。ここは有人駅。交換設備もある。駅を出て正面の道を進むと左側に大清水局があった。ここもスタンプは2種類あるようだが、「あー、みんなポスト(のスタンプ)押してる!」と言われる。すみません、みんなししょーが悪いんです。さらにインクの色が青と黒から選べると言われたが、どちらでもいいです、とやる気のない返事をしてしまった。正直どちらでもよかったのだが(ヲイ)。
【豊橋大清水局】
【これがつまりポストだらけのスタンプと言うことになる】
【渥美線大清水駅 時々こういう雰囲気の駅に出会う】
【大清水駅に到着する1800系菜の花編成 構内踏切は三種?】
●老津
さらに隣の老津まで移動する。出口は後方にある。また逆だったか。電車を降りて出口に向かっていると、車掌さんが小走りに近付いてくる。きっぷはこちらで回収しまーす。って、先ほどお会いしましたよね?こんな日に1日乗車券を使う人間がそんなに多くいるとは思えないんだけど。東側の道路を北に進み、老津町交差点を左に田原街道(R259)に沿って進む。約300m進むと老津局があった。ここのスタンプもポスト?ちょっと形が違うような。
【老津局】
【豊橋鉄道 老津駅 見ての通り無人駅である】
3.田原市の旅
●田原
老津駅に戻ってきた。さて、次の三河田原行きは15時36分発。終点に到着するのは15時50分。ギリギリだが何とかなるか?さて、電車が終点の三河田原に到着した。終点だけあって降りる人が多い。何とか改札口を出て、駅前の道路を渡り正面の道ではなくその1本右の道に入る。次の角を左に入り、後は道なりに進む。残り時間5分を切った。まだ見えない。ちょっと走る。ようやく郵便局の建物が見えてきた。田原街道(県道28号線)の手前、左側に田原局があった。残り3分。どうにか間に合った。久々の16時ダッシュでめまいがする。。。駅からの距離(道のり)は約500m。まあギリギリだったかな。
【田原局】
外へ出ると、当然ながら16時は過ぎている。ここは田原街道(の一部、と思われる)県道28号線。西に向かって進むと国道259号線と合流して、伊良湖岬に至る。名も知らぬ遠き島よりヤシの実が流れてくると言われるあの岬である。伊良湖岬の旅客船ターミナルに案内板があったな。しかし、今日はそんなところまで行っている時間はない。次の新豊橋行きの電車に乗る。
【伊良湖岬を示す標識 今日は行きませんよ】
【伊良湖岬方面バスのりば もう暗くなってきたな】
4.おわりに
今日の成果は、愛知県:8、キャンディー:1。ほとんど豊橋市の訪問となったが、豊橋市についてはクリアまでは程遠い。と言っても、後は豊鉄バスに乗るしかないので、とりあえず終わりかな(終わらせるな)。1日乗車券がないとバスはキツいんだよ、お金の面で。
【三河田原駅に停車中の1800系椿編成】
【新豊橋駅に停車中の1800系菊編成 もっと横から撮ったほうが分かりやすいか】
豊橋から浜松行きの普通列車に乗る。このまま東京まで鈍行で帰ると、到着は22時を越える(上述の通り)。明日が休みならそれでもいいんだが、お仕事がある。しかも朝一からミーティングだ。ということで、仕方なく新幹線のお世話になることに(♪び~あんびしゃ~す)。浜松で食事を取り、熱海までの特急券+乗車券を買う。空席状況△じゃなかったら自由席にするのに。
新幹線は早いなあ。こだまだけど。やはり車内は混雑していた。空席はほぼ見られない状態であった。暗くてよく分からなかったが、熱海に到着したようだ。ここは駅の東側にだけ出口があり、新幹線のりばは西側にある。つまり、新幹線改札から直接外に出ることはできない。新幹線改札を通過し、遥か遠くに見える出口を見ながら、手前の階段を上がり、東海道線上りホームに出る。すっかりお馴染みになったE231系1000番台の普通車に乗り込み、明日に備えて寝る。ではお休みなさい。いい夢見たいね。