0.はじめに
今回の盆休みは結構長い。このまま終わるのももったいないな。そう漠然と考えていたのだが。そして、ふと思った。そうだ!富士山行こう!と言っても登山する気などさらさらない。郵便局を回ったり、ただ列車に揺られるだけの旅の途中で登山口近くの駅に設けられたポスト(登山届(登山計画書)を入れるあれ)をぼーっと眺めるだけのししょーが山登りに目覚める日は、まあ来ないものと思われる。
【登山ポスト?の例 こーゆー感じのやつ】
だが、郵便局は回らなければならない。そして、富士山には山頂と五合目に郵便局があるのだ。富士山頂局に行くのなら、ガチの登山をしなければならないが、幸い(?)富士山頂局は郵便のみの扱いである(余談だが、7~8月のみの定期開設局である)。よって、対象外なのであった。一方の富士山五合目簡易局はと言うと、貯金の取扱いがある。ただし、貯金の取扱期間は概ね5月中旬~12月上旬となっている。郵便の取扱いはそれよりも少しだけ長い。そして、五合目までならバスで行ける。簡単に言えばいつもの装備で何とかなるわけである。
場所が場所だけにこれだけでほぼ1日費やしてしまうが、たまにはいいだろう。と慌ててきっぷの手配を始めるのであった。
1.プランニング
富士山に郵便局があるから行ってみようという単純な動機ではない。実は富士急行改め富士山麓電氣鐵道(以下、面倒なので富士急行とする)は富士山五合目へのアクセスに便利なきっぷを発売している。富士山五合目フリーきっぷというのがそれであり、このきっぷを使うと富士急行線の全線と富士山駅~河口湖駅~富士山五合目の富士急行バスが2日間乗り放題となる。しかも、単純に大月から富士山五合目まで往復するよりも安いのである。富士急行は運賃が結構高いので、これは結構ありがたい。ただ、使う機会がほぼ無いけど。
ちなみに、富士山五合目簡易局があるのは富士スバルライン五合目である。山が好きな方にとっては常識かもしれないが、富士山には4つの登山ルートがある。よって五合目と呼ばれる場所も4ヶ所あるのだが、富士山駅・河口湖駅からバスで行けるのは富士スバルラインの五合目である。なので、大丈夫と思われる。ちなみに富士スバルライン五合目は吉田ルートの登山口に当たる。初心者向けらしい。まあ、行かないけど(ヲイ)。五合目の気温は8月でも20度くらいにしかならない。夏の服装でいいのか?大丈夫だ。ししょーは8月上旬の立山黒部アルペンルートを軽装で走破した実績がある。周りが登山服だらけでビビったけど。
雑談はさておき、今回の行程はまず大月から富士急行線で富士山駅まで移動する。そこから富士スバルラインの五合目行きのバスに乗り、富士山五合目へ。その先は行く意味がないので、河口湖駅へ戻る。その後は富士急行線沿いに行ける所を回ってみよう。せいぜい、河口湖駅と富士山駅周辺しか回れないだろうが。ちなみに、富士急ハイランド駅周辺には絶叫マシンで有名な遊園地しかない。
2.富士山五合目簡易局へ
大月までの移動に使うきっぷは青春18きっぷ?いや、それだと特急に乗れないので、やむなくのんびりホリデーSuicaパスを事前購入した。これなら特急が使える(乗車券が有効であるという意味)。でも18きっぷの残り回数を考えたら、18きっぷで良かったかも。なお、新宿~大月間の普通運賃(IC)は1342円。微妙なところだ。
普段のししょーは松本ぐらいなら青春18きっぷで行っちゃうタイプなのだが、今回は時間の問題もあり、特急(かいじ号)を使うことにした。まあ、地方では特急が有利なのは言うまでもないが。いつもは途中駅(相模湖とか藤野とか)でE353系が颯爽と追い越していくのを無心で眺めていたものだが、今日は違う!今日だけだぞ?
五合目付近の天気予報は雨、予想最高気温は17度。ししょーは半袖でも18度までは耐えられるのだが、それより低い。とりあえず上着は持ってきた。ししょーは上着を装備することで気温10度まで耐えられる体になるのだ~(なんのこっちゃ)。
●富士山五合目(簡)
大月駅に着いた。うーん、時間の都合とは言え、ここまで特急(かいじ)を使ってしまった。まあ、併結の富士回遊に乗らなかったのでセーフ?いや、富士回遊に乗ってしまうと、大月~富士山間の普通運賃(IC:1039円)を払うことになるので(特急料金も)、それは避けたかった。さて、大月駅のJR改札を出て、右側に進む。その先にある富士急行線のりばへ。自動券売機でフリーきっぷが買えないかなと思ったが、乗車券、特急券しか売っていない。そうだよな。窓口(改札口)で富士山五合目フリーきっぷを買い求める。
【特急かいじ号(富士回遊を併結)】
【富士急行線 大月駅】
【富士山五合目フリーきっぷ 大月駅~河口湖駅間、富士山駅・河口湖駅~富士スバルライン五合目までが2日間乗り放題】
【富士急6000系 トーマス号】
【車内はこんな感じ】
河口湖行きの普通列車(6000系という名の元JR205系)に揺られて、富士山駅に着いた。よく考えればすごい駅名だなと思う。ここから富士スバルライン五合目行きの富士急バスに乗ることになる。このバスは河口湖駅を経由するが、始発から乗る方が安心である。天気予報を見ると、予想気温16度!?山の天気は変わりやすいというが、大丈夫かな?一応必要そうな装備は持ってきたが。
【富士山駅バスのりば案内】
【うぃずころな時代の新しい富士登山マナーらしい(クリックして拡大)】
【雨にかすむ富士急ハイランド】
【富士急バス 富士スバルライン五合目行き】
富士スバルライン五合目行きのバスに乗る。車内を見回すと、ほぼ軽装の観光客が目立つ。彼らが山に登らないことを願いつつ、五合目に向かって移動する。バスは、河口湖駅を出て県道707号線に入り、南下する。いよいよ富士スバルラインに入る。一応有料道路である。このバスは一般路線バスだが、途中で降りる人はいなさそう。と思ったら、四合目大沢展望台バス停、御庭バス停で降りる人がいた。何かあるのだろうか。後で調べるとハイキングコースがあるらしい。ふーん。富士スバルライン五合目に到着。バスを降りると、確かに気温は低いようだ。天候は雨、気温14度。標高は約2300m(あいぽんの気圧計による)。それでも半袖で平然と振る舞うししょー。まあ、寒さには強い方だし、今まで低体温症なるものになったことがないので、杞憂であったな。
【富士スバルライン五合目バス停】
【iPhoneの気圧計表示 だいたいこんな感じ】
バスのりばを出て、広場の反対側に見える五合園レストハウスに向かう。ここの1階に富士山五合目簡易局がある。入口の周りには丸ポストがいっぱい。これは飾りだろうな。中に入ると、簡易郵便局と書かれた窓口がある。が、貯金の設備(CTMなど)は見当たらない。入金票(青い紙)や払戻請求票(赤い紙)なども置いていない。郵便のみだっけ?いや、日本郵政のサイトでは貯金扱いをしていると書いてある。窓口の上を見ると、「郵便局のCASH CARD(現金・入出金)ご利用ができます」(原文ママ)と表示があるので取扱いしてるはず。局員さんに「入金はできますか?」と尋ねると、こちらへと奥の窓口に案内された。待合室にある謎のブースが貯金のスペースになっているようだ。入金票を出してくれたが、面倒なので記載済みのストックを渡す。局名印は普通に文字だけ。『登山記念貯金』と銘打つなら、せめて富士山か何かのイラストが入っていて欲しい気もする。まあ、簡易局は運営者次第なので無理にとは言わないが。無事に入金を済ませ、本日の目的は終了した。
【富士山五合目簡易局 このアングルでよかったのか?】
【富士山五合目レストハウス前の丸ポスト群】
【唱歌「ふじの山」の歌碑】
【富士山五合目簡易局窓口 こちらは郵便のほう】
【富士山五合目簡易局(貯金コーナー)】
【富士山五合目簡易局 貯金窓口 普段は閉まっている】
次のバスまで暇なので、近くの小御岳神社(富士山小御嶽神社)にお参りに。もちろんおみくじを引く。中吉か。まあまあだな。境内の一角にお土産屋さんがあったので、お酒を買う。お店の人に話しかけられたので少し会話する。
(店の人:以下み)「ようこそ参られました。登山ですね?」
(ししょー:以下し)「いえ、山には登らないです。郵便局を回ってます。」
(み)「そうですか、いいですね。山の上にも郵便局(富士山頂局)がありますが。」
(し)「山の上に行くなら本格的な登山になりますが、ここならそうでもないので。」
しかし、この軽装を見て山に登ると思ったんだろうか?最近、世界遺産に登録されてから無謀な登山家(というか観光客)が増えていると聞くので、そういう見方にもなるのかなあ。
【富士山小御嶽神社】
【さすが富士山が近い?】
【基本はモンベル?ししょーは登山家じゃないので分からんのですが】
【富士山五合目からの絶景を見よ(T-T)】
だいたい見るものも見たので、と言うより次の富士山駅行きのバスの時間が近づいてきたので、バスのりばに向かう。行きのバスでは半袖の軽装が見られたが、帰りのバスはほとんどが登山服スタイル。行きのバスで来た人は寒さのあまりすぐ引き返したのだろうか。というわけで、登山服に囲まれる半袖の軽装。これは、立山黒部アルペンルートと同じパターンじゃないか~、か~、か~(心の声がこだましている)。なんだか耳が痛い。飛行機の場合上空では0.8気圧くらい(与圧されている)だが、富士山五合目の気圧は約0.76気圧くらい(あいぽんの気圧計による)。山を下りると、飛行機で着陸するぐらいの気圧差が発生する。(※1気圧を1013hPaとして計算しているのでかなり概算である)
3.富士河口湖町の旅
●河口湖
山を下りて河口湖駅まで戻ってきた。ここから近いのは河口湖局。相変わらず雨が降っている。気温が高くないのは救いだろうか。駅前のバスターミナルを左手に200mほど進む。七軒町交差点を渡って左に進むと河口湖局があった。
【環境に配慮した電気バスらしい】
【河口湖駅前の丸ポスト】
【河口湖局】
4.富士吉田市の旅
●富士吉田、富士吉田本通
河口湖駅に戻って、普通大月行きで富士山駅まで移動する。駅を出て、出口から右の駐車場方向を進む。車道に出ると水たまりが多いため、水しぶきを喰らう恐れがある。200mほど進み、富士みちに出たら北上し、金鳥居交差点を右方向に進む。500m以上進み、ガストの先の交差点から昭和通りに入って左方向に約300m進むと富士吉田局があった。ここではティッシュをはさんでくれた。
【富士吉田局】
元来た道を戻り、金鳥居交差点まで戻ってきた。ここから国道139号線を200mちょっと北上すると左側に本通局があった。残り3分!ということで今日はこれにて終了となる。
【富士吉田本通局】
金鳥居交差点に戻って、さらに直進し、富士山駅への抜け道を戻る。途中の道では雨のため、水たまりが多かった。ほとんどの車は減速してくれたが、一部そうでないものもいた(怒)。蛇足だが、道路交通法71条1号の規定によれば、「ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。」
つまり、雨の日などにぬかるみ、または水たまりを走行して泥土、汚水を飛散させた場合(そしてししょーに被害を与えた場合)は、違反点数は付かないものの、大型車:7000円、普通車・二輪車:6000円、原付(小特)でも5000円の反則金が課せられるのである。ししょーが元気だったら、ナンバープレートを控えて山梨県警に通報してやるところなんだが。
5.おわりに
本日の成果は、山梨県:4(鳴沢村:1、富士河口湖町:1、富士吉田市:2)、ティッシュ:0。主な目的は富士山五合目簡易局だったので、後の3局はおまけである。富士山駅周りは1局で終わりかと思っていたが、ちょっと無理して2局回れた。おかげで列車を1本遅らせることになったが、まあ次回の富士急行ツアーを考えれば良かったのではないか。
【リバーシブル駅名標】
【富士山駅に展示されているプラレール】
時期的に普段なら熱中症の対策をするところなのだが、今回は逆の対策をすることになった。結局は、ししょーの限界が分かってきた(広がった)ことになるんだろうか。それと、今までの人生で一番富士山に接近したと思う(きっとそうだろう)。雨でほとんど見えなかったのは残念だが。晴れていればきっと感動的な光景が見られたのではないですかねえ。なお、ししょーは特異体質のため軽装でも問題なかったが、皆さんには高地向けの装備を用意することをお勧めする。
それとふと思ったのだが、富士急行線沿線を回るなら、富士山特急フリーきっぷでよいが、富士五湖周辺にも郵便局はある。それを回るために富士山・富士五湖パスポートという便利なきっぷもあるのだ。気が向いたら回るとするか。各きっぷの詳細については、「便利なきっぷ(その他地域東編)」に記載しているので、ここでは省略する。