日本郵便の不適切点呼問題について

すみません、最近いろいろ忙しくてニュースを追えてなかったのですが。日本郵便で運転手の乗務前の点呼について、あちこちで問題があったと報道がありましたね。最初は局地的な問題なのかと思っていたのですが、結局全国の7割以上の局で不適切な点呼があったということらしいです。

この件について、もちろん書きたかったんですけど、タイミングを逸したのでどこかで落ち着いたらまとめようと思ってました。一応まとまりましたね。自動車貨物運送の事業許可取り消しという形で。

内容を見てみるとひどいですね。乗務前のアルコールチェックなど運送業としては常識と言える手順を外したり、点呼そのものもしていなかった局さえあるようです。それだけ現場が逼迫しているということでしょうか。なお、点呼というのはアルコールチェックだけでなく健康状態のチェック、日常点検の実施状況の確認など、安全な輸送(貨物、旅客どちらもですよ)のためには不可欠なものです。トラック、バスともに運転手不足は以前から指摘されてましたけど(2024年問題含めて)、こういう全国的な事業を一民間企業にやらせたあのお方の弊害はさらにひどくなっていると感じます。

今回の行政処分(運送事業許可取消)で日本郵便が保有するトラック、ワンボックスカーなど約2500台が使用できなくなるようです。まだ検討段階のようですが、覆ることはないでしょう。ほぼ決定ということでいいのではないかと思います。残るは軽自動車や原付バイクと言ったよく街中で見る郵便屋さんのあれですね。あの小さな車は集配局(郵便物の取りまとめをする局)から家庭や企業などの受取人、特定局(無集配局、つまり近所の郵便局です)、郵便ポストを行き来するだけなので、それだけで今までの業務はできません。

日本郵便が言うには、子会社の日本郵便輸送(そういうトラックを見ますね)や他の宅配業者に委託して事業を続けるとのことですけど、難しいのではないでしょうか。世間のニュースではゆうパックがなくなるのでは、という話も出ています。いや、あの、ハガキも封書も集配局を越えて配送できなくなるんですけど。

実は普通の荷物、例えば通販とか実家から送られる物品(カップラーメンとか)などは誰でも扱えるんですけど、信書については基本的に日本郵便しか扱えないことになっています。一部大型の信書については一部宅配業者も扱っているみたいですが。信書というのは郵便法で定められていて、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書と定義されています。要するになんだ?請求書とか領収書とか、個人的なお手紙も含まれます。まあ、今時メールじゃなくて便せんに文章をしたためて封筒に高い切手を貼って送る人ってそれほど多くないかもしれませんが。

しかも、最近起きた問題ではなく、かなり前から慢性的に行われていたという指摘もあります。であれば、すぐに許可が戻るということはないでしょう。いったん許可が取り消されると5年間は許可の再取得ができません。これは5年経ったらまた許可が下りるという意味ではなく、5年後にちゃんと再生していれば許可が下りるかもということです。つまり日本郵便の体質と言いますか体制が健全化されない限り許可は下りないということになります。

あのお方は仰いました。民間にできることは民間で。簡易局のお話は相当前にしたので今回はしませんが、果たしてこれだけの大きな事業が民間企業に見合うものだったのか。草葉の陰で反省してもらいたいものです(まだ生きてましたっけ?)。それとご存命のご子息様におかれましてはレジ袋の無料化のみならず郵政事業の再生に向け粉骨砕身していただきたいと思います。何せ一族の恥ですからね。

今回の件で下手をすると日本の物流そのものが大ダメージを受ける恐れもあります。ですが、それぐらいcatastrophicな(ここで横文字使うと明治の文豪感が出ますな)事態に陥らないと、郵政事業の健全化、つまり国営化の動きは進まないのかもしれません。ししょーも貯金通帳と100円玉を握りしめつつ、横目で郵便窓口を見守りたいと思います。

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